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高齢期の資産を考える ~預貯金活用のヒントと低リスクな選択肢~

Tags: 高齢期, 資産管理, 預貯金, 資産運用, 低リスク, 定期預金, 個人向け国債, MMF, 相談窓口

人生100年時代と言われる今、高齢期の生活資金について、漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に、物価の上昇が続くと、預貯金だけでは将来が少し心配になる、というお声も聞かれます。

大切な資産を守り、そしてもし可能であれば少しでも増やしていくために、どのような選択肢があるのでしょうか。この記事では、皆様にとって最も身近な資産である預貯金との上手な付き合い方や、比較的リスクの低い資産運用の方法について、分かりやすくご説明します。

高齢期の資産管理、なぜ考える必要があるのでしょう

これまで蓄えてこられた預貯金は、日々の生活を支える大切な基盤です。しかし、残念ながら現在の超低金利下では、預貯金だけでは資産が大きく増えることは期待しにくいのが現状です。さらに、物価が上昇すると、同じ金額のお金で買えるものが減ってしまい、資産の実質的な価値が目減りしてしまう可能性もあります。

もちろん、急な病気や予期せぬ出費に備えるための十分な預貯金は、高齢期を安心して過ごす上で不可欠です。まずは、ご自身の生活費や緊急予備資金として必要な金額をしっかりと確保することが大切です。

その上で、もし余裕資金があるのであれば、預貯金以外の方法も検討してみることで、資産をより効果的に守り、増やすことに繋がるかもしれません。

まずは預貯金との上手な付き合い方を見直す

多くの金融機関に預貯金がある場合、ご自身の資産全体像が把握しにくくなることがあります。まずは、どこの金融機関に、いくら預けているのかを一覧にして「見える化」することから始めてみましょう。

複数の金融機関に預けている場合、何か手続きをする際などに手間がかかることもあります。必要に応じて、口座を整理することも検討されても良いかもしれません。銀行の窓口で相談に乗ってもらうこともできますので、ご家族と一緒に、あるいは信頼できる方に相談しながら進めてみましょう。

また、預貯金には「ペイオフ制度」というものがあります。これは、金融機関が破綻した場合に、預金者一人あたり元本1,000万円とその利息が保護される制度です。これを意識して、資産を複数の金融機関に分散しておくという考え方もあります。

無理なく考えられる低リスクな資産運用の選択肢

「資産運用」と聞くと、元本が減ってしまうのではないか、手続きが難しそう、といった心配をされる方もいらっしゃるかもしれません。確かにリスクのない運用方法はありませんが、比較的リスクが低く、初めての方でも検討しやすい選択肢もあります。

1. 定期預金

預貯金の延長線上にある、最も身近な選択肢の一つです。まとまったお金を一定期間(1年、3年、5年など)預けることで、通常の普通預金よりも少し高い金利が適用されることが一般的です。

すぐに使う予定のないお金であれば、普通預金に置いておくよりも定期預金として預けることで、少しでも金利を多く受け取ることができます。

2. 個人向け国債

国が発行する債券で、個人の購入者向けに販売されています。日本という国が発行しているため、比較的安全性が高いと言われています。1万円から購入できるため、少額から始めることができます。

個人向け国債には、金利が変動するタイプと固定されるタイプがありますが、どちらも比較的リスクが低い金融商品と言えます。詳細については、金融機関の窓口や専門家にご相談されるか、当サイトの別の記事もご参照ください。

3. MMF(マネー・マネージメント・ファンド)

投資信託の一種ですが、安全性の高い国内外の公社債などで運用されるため、比較的リスクが低いとされています。日々収益を計算し、その収益が組み込まれることで基準価額が上昇していく仕組みです。

MMFは、いつでもお金を引き出せる手軽さがありつつ、預貯金より有利な運用を目指せる金融商品ですが、リスクがある点は理解しておく必要があります。

自分に合った方法を考えるステップ

これらの選択肢を考える際に大切なのは、「ご自身にとって、どの方法が一番安心できるか」ということです。

  1. まずは、どれくらいの金額を預貯金以外に回せるか考えましょう。 日々の生活費や、病気・介護などに備える当面の資金は、すぐに引き出せる預貯金として手元に置いておくのが賢明です。
  2. それぞれの特徴を理解しましょう。 安全性、いつでも引き出せるか(換金性)、手続きのしやすさなどを比較してみてください。
  3. 無理のない範囲で始めてみましょう。 例えば、まずは定期預金から、あるいは個人向け国債を少額から購入してみるなど、ご自身が納得できる方法で一歩踏み出してみるのも良いかもしれません。

一人で悩まずに相談してみましょう

資産管理や運用について考えるのは、一人では難しいと感じることもあるかもしれません。そんな時は、遠慮せずに専門家や信頼できる人に相談することが大切です。

デジタルでの手続きが苦手でも、窓口や電話で相談できる場所はたくさんあります。まずは身近なところから、安心して話せる相手を見つけてみてください。

まとめ

高齢期における資産管理は、将来の安心な生活のためにとても重要です。まずはご自身の預貯金の状況を把握し、その上で、もし余裕があれば、定期預金や個人向け国債、MMFなど、比較的リスクの低い選択肢についても情報を集めてみましょう。

大切なのは、ご自身の状況や考え方に合った方法を選び、無理なく続けることです。一人で抱え込まず、金融機関の窓口や専門家、あるいはご家族に相談しながら、安心して資産と向き合っていくことを応援しています。